政治が下品になっている | マルボロの部屋

政治が下品になっている

つい先ほど、NHKラジオで党首や幹事長が出演する討論を聞いた。

討論を聞いていて一番に感じることは、政治が下品になっていると言う事だ。


原因は反対や否定ばかり述べ続ける、野党にあるのだが、最近は自民党も同じ傾向になりつつある。


論理だった反対や否定ならいいのだが、反対したいがための反対、批判を通り越しての中傷が目立つ。当たり前だがこのような姿勢である限り、議論は成り立たない。


基本的に議論はお互いのスタンス(総論)を認め合って初めて成立する。

次に各論に入り、その後改善策など様々な意見を出し合って妥協点を探る。


我々は野党に反対することを求めていないのだと思う。少なくとも私はそうだ。

初めから反対している時点で議論が成立するはずがない。初めから批判ありきのスタンスで議論が成立するはずがない。


NHKラジオで民主党の党首の岡田が出席していたが、郵貯・簡保縮小案に対して人員削減の問題を述べていたが「やむ終えない」の一言で終えてしまった。

その後、他の党の代表が岡田に2,3質問したが、「ここ数年公社は年間2万人ずつ削減している。だから十分可能だ」と述べていた。

ここに私は疑問が残る。すでに4万人以上も削減していて、さらに2年間で8万人を一気に削減できるのか?ということだ。郵政は正社員で24万人、非正社員で38万人と言われている。たった2年で正社員で考えれば3分の1、非正社員で考えれば4分の1の削減になる。そして、すでに公社化後2年間で4万を削減していると言っているのだ。人員削減に関して去年もできたから今年もできるというのは、成り立たないように思われる。郵政の適正人員とはいったい何人なのだろうか?また、郵貯、簡保で働いている現在の人員は何人いるのだろうか?

また官公労組みはこの民主党のマニュフェスト案には了承しているのだろうか?連合(官公労組み)は了承せずに民主党288人の推薦を決定しているのだろうか?ここが最も不透明だ。民主党がしっかり官公労組みと調整できているのならば民主党の支持率は上るだろう。逆に官公労組みと調整できていないのならば、マニュフェストを実行する気がない(国民を欺く)か官公労組みを欺くことになる。連合(官公労組み)は、調整せずに288人もの民主党立候補者を推薦するリスクを考えているのだろうか?民主党の郵政改革案は自民の民営化案よりもはるかに郵政一般職員にとっては厳しい処置だ。自民の場合、国家公務員という地位を失うものの、新規事業参入は認めている(民営化)ので人事移動によリストラを最小限にすりることができる。


民主党岡田は、2年後の郵貯・簡保については、「民営化と廃止で党内の意見が割れている」と述べていた。

私は「ちょっと待て」と思った。小泉は4年前から郵政民営化を叫んでいた。公社化後も郵政民営化法案に関しては小泉の任期内に国会に提出されることが分かっていたはずだ。今年の末に国会審議が始まる前から自民の造反組みは勉強会と称して集会を開いていたし、政府は1年以上もかけて郵政民営化法案を練っていたはずだ。そして国会は、衆参両議会で190時間を費やしている。

この間民主党はいったい何をしていたのか?党内の郵政改革の意見をまとめることすらしていなかったのか?

「対案が人質にとられる」という理由で対案を提出していないのは知っていたが、党内で民主党としての意見をまとめるということを全くしていなかったのだろうか?

また最終的なビジョンが民営化か廃止かで、現在縮小すべきか否かは大きく変わっていくと思われる。2年後どうするかという審議はいつするのだろうか?年金は前回1年討論した。郵政民営化法案も今年初めから討論しており、公社化も含めれば莫大な時間を費やしている。「他に大事なことがある」は結構だが、他のことを進めている間に2年なんてあっという間にすぎてしまうのではないのだろうか??民主党の法案やスタンスは注目すればするほどある意味恐怖を覚える。


話を少し戻すが、我々は野党に反対することを求めていないと思う。与党自民よりも良い案を出して欲しいのだ。そして、与党の抜けているとこ、弱いとこ、を批判、非難、指摘で終わるのではなく、改善策を野党自らが提案して欲しいのだ。自分たちの対案の方が優れているということを主張して欲しいし、与党の問題点には批判だけでななく改善案も進んで出すという姿勢が欲しいと思う。そして自分たちの対案の弱い部分を指摘された場合、与党に修正点、改善点、妥協点を求めることも大事だと思われる。


旧社会党が消えていったのは、反対ばかりして政権を執った瞬間に何もできなかったからだ。野党が反対の一点張りではなく、しっかり審議ができることが望まれ民主党が生まれたのだ。しかし、民主は菅が党首に就任した前後からおかしくなってしまった。旧社会党員は人数合わせで若手と旧自民がリードするというイメージだった民主党は気がつけば、有力支持母体の官公労組の強い影響で旧社会党員が中心でリードし、若手と旧自民の民主党員達は単なる広報部長になってしまった。民主党全体で見れば、旧社会党となんら変わらなくなってしまったのだ。とても残念で仕方がない。